自分にとって適正な睡眠時間を知る方法 

「7〜8時間眠っているのに眠い」「短時間睡眠だけど元気」など……睡眠時間に疑問を感じたことはありませんか? 忙しくて睡眠時間が確保できず、「ショートスリーパーになりたい」と思うこともあるかもしれません。 そこで本記事では、適正な睡眠時間について解説します。

「7〜8時間眠っているのに眠い」「短時間睡眠だけど元気」など……睡眠時間に疑問を感じたことはありませんか?

忙しくて睡眠時間が確保できず、「ショートスリーパーになりたい」と思うこともあるかもしれません。

そこで本記事では、適正な睡眠時間について解説します。

睡眠時間に関してよくある質問にもお答えしていくので、ぜひ最後までチェックしてみてください。

まずは知ってほしい、適正な睡眠時間とは?

適正な睡眠時間とは、「休日も含めて毎日同じだけの時間を眠って、昼間に眠気で困らないようになる」を目安とするのが良いでしょう。

つまり、昼間に眠いと感じる方は、睡眠時間が足りていない可能性が高いのです。

また、人間は基本的に「眠り過ぎる」ということはありません。

長い時間を眠れるのであれば、その時間が適正睡眠時間であるか、もしくは睡眠不足が蓄積していたと考えるべきでしょう。

まずは、適正な睡眠時間について正しい知識を身につけましょう!

適正な睡眠時間には個人差がある

まず知ってほしいポイントは、適正な睡眠時間の具体的な数字には、個人差があることです。

つまり、7〜8時間以上必要な方もいれば、6時間程度で足りる方もいます。

睡眠時間が5時間以下でも平気な「ショートスリーパー」も、ごく稀ではありますがいるようです。

ただし、ご自身がショートスリーパーだと感じている場合に、無自覚な睡眠不足の可能性もあることに注意してください。

多くの大人にとって、適正な睡眠時間は?

大部分の方の適正睡眠時間は7時間前後と考えるのが良いでしょう。

大人であれば、少なくとも6〜7時間以上の睡眠が必要だと考えられます。睡眠時間が6時間未満というのは、ほとんどの人にとって睡眠不足です。

日中に眠気を感じることが有る場合には、これから紹介する「適正時間を眠れているのか?」の確認を試していただきたいと思います。

自分にとって適正な睡眠時間の見つけ方

適切な睡眠時間は、次のような実験的な方法で確かめていくことができます。

  1. 毎日の睡眠時間を決め、休日も含めて同じ睡眠時間で1週間ほど生活する

  2. 次の週は15~30分ほど睡眠時間を延ばし、日中の調子の変化などを確かめる

  3. もっと眠れそうであれば、もう15〜30分ほど睡眠時間を延ばしてさらに1週間ほど過ごす。逆に「これ以上眠れない」と感じたら、睡眠時間を少し短くする

  4. 2,3を繰り返し、最も調子よく過ごすことができる睡眠時間の長さを見極める

例えば、毎日6時間睡眠の方なら、試しに6時間半に睡眠時間をのばして1週間過ごします。6時間半でも昼間の眠気や調子の悪さを感じるなら、次は7時間に伸ばしてみましょう。

「7時間でいいかな」「30分伸ばしてみよう」など、毎日の体調を観察しながら睡眠時間を少しずつ伸ばしていきます。

睡眠時間を長くしていく中で、夜中に目が覚めてしまったり、早朝に目が覚めてしまったりすることが増えてきたら、睡眠時間が長すぎるサイン。

「これ以上眠れない」というポイントを見つけたら15〜30分くらい睡眠時間を短くして、最も快適に過ごせる睡眠時間を見つけてみてください。

睡眠の質を高めれば短時間睡眠でもいいのか?

睡眠時間を十分に確保できないときに、睡眠の質を高めて睡眠時間を短縮しようとする方も多いようです。

では、睡眠の質が高ければ、睡眠時間が短くてもよいのでしょうか?

睡眠の量は、質では補えない

結論から言うと、睡眠の質で量を補うことはできません。

いくら質がいい睡眠をとっても、睡眠時間を短くすれば、睡眠不足が蓄積してしまうのです。

また、睡眠時間が短い方の睡眠を測定してみると、短いながらも深く安定していて、睡眠の質はこれ以上改善できないくらい良い場合がほとんどです。

それでも睡眠不足だと感じるなら、量で補うしかないでしょう。

例外は、睡眠時間が短く、睡眠の質も悪い場合

例外として、睡眠時間が短く、かつ、睡眠の質が悪いというケースもあります。

たとえば、睡眠時無呼吸があって、その影響で睡眠が浅く不安定になり、さらには目が覚めてしまい眠れなくなり、結果として睡眠時間も短くなっているようなケースです。

この場合は睡眠の質を改善して深く眠れるようにすることによって、目が覚めてしまうことが減り、結果として睡眠時間が延びていくことも考えられます。

眠っても疲れが取れない場合

眠っても疲れが取れない……そんなときも、大きく2つのパターンが考えられます。

  • 睡眠時間が足りない

  • 睡眠の質が悪くなっている(その影響で睡眠時間が短くなっている場合も含む)

そして、このどちらに該当するかによって、適切な対処法は変わります。

ただし、睡眠の質の悪化は、自覚的には把握しにくいものです。

睡眠の質を改善する余地があるのか、睡眠時間を伸ばすしかないのか、ご自身にとっての適切な対処方法を明確にするためには、睡眠脳波計測なども活用しましょう。

参考:睡眠グラフを読む 〜脳波計測なら睡眠の質がここまで分る! 

睡眠時間に関してよくある質問4選!

さてここからは、S'UIMIN主催のセミナーや、「脳波で睡眠検査」をご利用いただいたお客様からいただく質問と回答を掲載します。気になるトピックがあれば、睡眠を改善するための参考にしてみてください。

①頑張ればショートスリーパーになれる?

結論から言えば、「後天的にショートスリーパーになることはできない」と考えるべきでしょう。
なぜなら適正な睡眠時間の長短は、遺伝的な影響が大きいと確認されているためです。

生まれつきのショートスリーパーがごく稀に存在することは考えられますが、訓練してショートスリーパーになることは不可能なので、十分な睡眠時間をとることを考えましょう。

②午前0時までの睡眠が大事って本当?

午前0時までが睡眠のゴールデンタイムだといわれていますが、半分は間違いです。

確かに、入眠直後から3時間くらいまでは、最も深いノンレム睡眠が現れやすい時間になります。

「深い睡眠をしっかり取る」という意味に限れば、睡眠の序盤をゴールデンタイムとするのは正しい考え方と言えるでしょう。

ただし、その「睡眠の序盤」は、必ずしも0:00前である必要はありません。

なぜなら、人には朝方・昼型・夜型という「クロノタイプ」があるからです。

クロノタイプが夜型で自然に眠くなるのが0:00なら、その人のゴールデンタイムは0:00〜3:00くらいの時間帯です。

つまり睡眠のゴールデンタイムは、最も気持ちよく眠れるタイミングから2~3時間程度となります。就寝時刻にこだわるのではなく、睡眠の前半を良い状態で過ごすことを意識しましょう。

また、質の良い睡眠の条件は、「深い睡眠が多いこと」だけではありません。

近年は、睡眠の後半に増えるレム睡眠についても、とても重要な睡眠であることが明らかになりつつあります。深い睡眠が現れる睡眠の前半だけではなく、一晩の睡眠すべてが「ゴールデンタイム」であると考え、十分な時間を眠ることが大切です。

③睡眠の長さは90分の倍数が良いって本当?

睡眠のサイクルは入眠後、まずはノンレム睡眠が出て、次にレム睡眠が出て、再びノンレム睡眠の時間帯になるまでを指します。

しかし、そのサイクルが90分というのはあくまで平均的な目安の数値です。人によって60分サイクルの方もいれば、120分サイクルの方もいるのです。

また、一晩の中で睡眠のサイクルが変動する場合もあります。

睡眠の前半は120分サイクル、後半は80分サイクルという方も珍しくありません。ですから、90分という数字にはあまりこだわらない方が良いでしょう。

ご自身の睡眠サイクルを知りたい方は、脳波で睡眠計測をご活用ください。

④加齢によって長く眠れなくなったときの対処法は?

加齢による睡眠時間の短縮は、決して珍しいことではありません。年齢を重ねると、どうしても長く眠れなくなります。

ただし、眠れない要因が加齢ではなく、睡眠時無呼吸症候群などの異常が関係している場合も考えられます。

睡眠時無呼吸症候群は事故や病気のリスクにつながるため、早めの対応が必要です。(睡眠時無呼吸症候群について、詳しい解説はこちらを合わせてご確認ください)

思うように眠れないと感じたら、一度は睡眠の検査をしてみることをおすすめします。

また、もし加齢による睡眠時間の短縮であれば、無理に睡眠時間を伸ばそうとする必要はありません。ベッドの中で眠れない1〜2時間を過ごすことになると、かえって睡眠の満足度が下がってしまうので、心当たりがあれば「眠くなるまでベッドには入らない」「目が覚めたらベッドから離れる」ことを考えましょう。

適正な睡眠時間は個人差がある!睡眠検査で調べてみよう

適正な睡眠時間には個人差があり、長時間の睡眠が必要な人もいれば、短時間で済む人もいます。適正な睡眠時間を知るためには、実験的に確かめる方法が有効です。

1週間ずつ毎日同じ睡眠時間で過ごして、少しずつ眠る時間を伸ばしながら、最も調子良く過ごせる睡眠時間を見つけてみてください。

文責:谷 明洋 (S'UIMIN 睡眠ウェルネスアドバイザー / 元日本科学未来館 科学コミュニケーター)
監修:柳沢 正史(S'UIMIN 取締役会長 / 筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構 機構長)

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