あなたの「最近、夜中に目が覚めるようになった」はどれ?~50代からの睡眠お悩みへのヒント〜

「歳のせいか、最近、夜中に何度も目が覚める」とお悩みの方に向け、心配し過ぎない方が良いケースから、早めの対策が必要なケースまで、いくつかの考えられる睡眠パターンと対策を紹介します。

「歳をとったからか、夜中に何度も目が覚めるようになった」「若い時のように、長い時間を眠れない」──そう感じる方が、中高年からシニア世代になるにつれて少しずつ増えていきます。

ただ、その「夜中に目が覚める」状態、実はあなたが思っているほど深刻ではないかもしれませんし、逆に早めの対策が必要なサインかもしれません。

今回は、中高年からシニア世代の方々が「夜中に目が覚める」と感じている時の代表的な睡眠のパターンを3つ、睡眠計測の結果とあわせて紹介します。

それぞれのパターンに合わせた具体的な対策も整理しますので、年齢やライフスタイルの変化が大きいこの時期に、ご自身の睡眠とじっくり向き合うきっかけにしてください。

パターン1:実は良い睡眠がとれている(健常な加齢現象の範疇)

夜中に目が覚めやすくなるのは、言わば加齢による自然な変化です。

2~3回ほど目が覚めても、5~10分程度で再び眠れるなら、睡眠時間(眠れた時間)が大きく減ることはありません。

また、実際に睡眠を計測してみると、目が覚める前後の睡眠が、思いのほか深く安定していることに気付くことがあります。

中には、実際は10分程度で再入眠できて良い睡眠がとれているのに、「目が覚めて2時間くらい眠れなかった」と感じている方もいらっしゃいました。

健常な加齢現象の範疇で、実は十分よい睡眠がとれている

このような場合に最も良くないのは、「自分の睡眠が良くない」と必要以上に思うこと。不安が膨らむと、睡眠への満足度や日中の活力が下がってしまいます。下手をすると、そこから本当に睡眠不安による不眠症になってしまうことも。

夜中の短時間の目覚めは、自然な加齢現象として受け入れてしまい、自分の睡眠に自信を持つことが睡眠の満足度を高めることにつながります。

目が覚めてしまうことをマイナスにとらえるよりも、すぐに再入眠できることや、目が覚める前後の睡眠の質が良いことをプラスにとらえましょう。

【良い睡眠へのヒント】自分の睡眠に自信を持ち、目が覚めることを気にし過ぎない

パターン2:睡眠中に息が止まって目が覚めている(睡眠時無呼吸)

夜中に何度も目が覚める際に、もう一つの可能性として注意したいのは「睡眠時無呼吸症候群」です。

パターン1で、「夜中に目が覚めても短時間で再入眠できれば問題ない」とお伝えしましたが、睡眠時無呼吸がある場合は例外で、早めの対策が必要となります。

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が止まったり弱くなったりする睡眠障害で、その影響でごく短時間の記憶に残らないような覚醒を繰り返したり、目が覚めてしまったりして、睡眠が悪化します。

日中の眠気や居眠り運転の重大事故の原因として話題になることが増えていますが、それだけでなく、脳卒中や心筋梗塞等の致命的な疾患につながることにも注意が必要です。

厄介なのは、自分では気づきにくい点で、まったく自覚がないまま中等症以上の睡眠時無呼吸がある方も少なくありません。また、男性の睡眠障害と思われがちですが、閉経後の女性は同年代の男性同様にリスクが高まります。

「車を運転しないから大丈夫」「女性だから心配ない」などと考えずに、家族にいびきを確認してもらったり、血中酸素の状態を確認できる睡眠検査を活用することを考えましょう。

軽症の段階であれば、寝具を工夫して横向きに眠るようにしたり、適正体重に気をつけたりするだけで軽快することもあります。

【良い睡眠へのヒント】横向き寝に適した寝具を使うとともに、程度によって医療機関への相談も検討

パターン3:長時間の「目が覚めて眠れない」がある

睡眠時無呼吸がないとしても、夜中に目が覚めて長時間、再び眠ることができないのだとすれば対策が必要です。

この場合、目が覚めてもなるべく早く再入眠できるようになることを目指しましょう。

まずは、寝室の環境や行動の見直しから。たとえば、寝室の温度や湿度、照明や遮光の見直しなどが挙げられます。目が覚めた時にスマホで時刻を確認する習慣がある方は、スマホを遠ざけて時刻を確認しないようにするだけでも変わってくるかもしれません。

そして、それでも眠れないときは、眠れないまま布団にとどまらず、思い切って起きて気分転換をすることです。眠れないまま布団に居続けると、脳が「布団の中は眠れない場所」と認識し、ますます眠れなくなることがあります。

また、時間にゆとりができたシニア世代の方に多いのは、自分が眠れる以上の長い時間を布団に入っているために、かえって眠れない時間が増えてしまうケースです。

長時間の「目が覚めて眠れない」がある

年齢を重ねると眠れる時間は短くなり、一晩の適正睡眠時間が6時間前後になる方も。にもかかわらず若い時と同じように8時間を眠ろうとすると、2時間ほどは眠れないまま布団の中で過ごすことになってしまいます。

世間では睡眠不足への注意が盛んに呼びかけられていますが、それは主に現役世代に向けられたもの。時間に余裕があるリタイア世代は「もっと眠らなきゃ」という意識が逆効果になることもあるのです。

心当たりがあれば試しに、「眠くなるまで布団に入らない」「睡眠時間を短く、中身の濃いものにする」を試してみてください。

【良い睡眠へのヒント】眠れない要因を排除する。布団の中にいる時間を短くした方が良いことも

まとめ:「最近、夜中に目が覚めるようになった」は、要因も対策もいろいろ

中高年以降の「夜中に何度か目が覚める」は、加齢にともなう自然な変化のひとつ。

ただし、悩みは一見すると同じようであっても、睡眠を詳しく見てみると、

 ①大きな問題ではないから睡眠に自信を持つ方が良い
 ②睡眠時無呼吸症候群がある
 ③長時間の「眠れない」がある

ーーという3つのパターンがあります。

そこでまずは、睡眠を測定し、「目が覚める要因」と「眠っている間の状態」を客観的なデータから確認してみてはいかがでしょう。

睡眠状態が良いことが分かれば不安を払拭して自信を持つことができますし、長時間の不眠や睡眠時無呼吸症候群が見つかれば適切な対策に進むことができます。

「何度か目が覚める」にはいくつかの可能性が考えられるからこそ、詳細な睡眠状態を把握することが大切になってくるのです。

文責:谷 明洋 (S'UIMIN 睡眠ウェルネスアドバイザー)
監修:柳沢 正史(S'UIMIN 取締役会長 / 筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構 機構長)

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