就寝前に、仕事から頭を切り替える入眠習慣をつくる 〜睡眠衛生指導の事例3〜
夜遅くまで仕事をすることをやめ、代わりに、入眠前にペットと遊ぶことを習慣にすることで、寝付きや熟眠感が向上した30代男性の事例です。

「睡眠衛生指導の事例」シリーズは、さまざまな睡眠の課題に対し、どのように要因を分析することができ、どのような衛生指導が考えられるのか、具体的な事例を元に紹介します。
この記事では、寝付きの悪さに悩んでいた30代の男性が、入眠前に気分転換の習慣を取り入れることで睡眠を向上させた事例を紹介します。
1, 課題:寝付きが悪く、睡眠が浅く感じる
この方は、次のような悩みがあって睡眠を計測することにしました。
寝付きが悪い
夜中に目が覚めることがあり、睡眠が浅いように感じる
2, 睡眠状態:入眠困難と浅眠化の傾向
睡眠を計測すると、本人の主観と概ね一致して、入眠困難や浅眠化の傾向が認められました。

毎晩の入眠に時間がかかったり、入眠しても再び目が覚めたりしている
睡眠経過図を見ると、
毎晩の入眠があまりスムーズではない
1晩目は入眠したあとに短い覚醒がある
2晩目に早朝覚醒、4晩目に中途覚醒がある
眠れている時間の睡眠の質も、最も深い睡眠(N3)が少なく、やや不安定
ことが分かります。
一方で、同時に計測した「血中酸素ウェルネス」の数値には異常が認められませんでした。
3, 要因は?:思考が休まらないから?
この方には、睡眠に関する行動習慣にも気になる点がありました。
夜遅くまで、パソコンを使って仕事をすることが多い
布団に入っても仕事のことを考えてしまって眠れないことが多い
考え事や不安が頭の中で膨らんで、同じような状況になることもある
これらのことから、入眠困難と浅眠化の要因として、次のような可能性が考えられました。
睡眠直前に思考が活発になるため、睡眠が安定せず覚醒しやすい
布団の中で、仕事やその他のことを考えてしまう癖がある
脳が活発に働く思考や感情は、睡眠を阻害する大きな要因のひとつです。
就寝前の過ごし方が思考を活発にして、睡眠に影響を与えていると考えられたのです。
4, 睡眠向上への提案:思考をオフにする
こうしたケースでは、「いかに思考や感情を落ち着かせた状態で布団に入るか」が重要になり、次のような提案が考えられます。
就寝直前まで仕事をしたり頭を活発に使ったりするのは控えましょう
できれば、就寝前には心身をリラックスできるような習慣を取り入れましょう。具体的には、読書、動画を見る、ヨガやストレッチ、ペットや家族と過ごす、などが考えられます
しばらく続けることによって、「これをやったら眠るんだ」と脳や身体が自然に感じる状態つくっていきましょう
1によって「睡眠に悪いことをやめる」だけでも良いのですが、それに加えて「睡眠に良いことをやる」ことを習慣にすれば、一層の効果や持続性が期待できます。
具体的な習慣は、「刺激が強すぎない」「気持ちを切り替えられること」「無理なく続けられること」であれば、基本的に何でも良いでしょう。
たとえば読書なら、何度か読んだことがあって内容を知っているものなどが良く、先の展開が気になって止まらなくなるようなものは逆効果になる可能性があります。
動画も、あまりに感情移入してしまうものやスリルを感じるものではなく、気持ちがリラックスできるものを選び、画面の輝度に気をつけながら見るのが良いでしょう。
習慣を定着させることによって、単に「気持ちを切り替える」だけでなく、脳や身体が「これをやったら眠るんだ」と条件的に反応するようになっていくことも期待できます。
5, 結果:「ペットと過ごす」が良い入眠習慣に
この方は「無理なく、楽しく続けられそうなこと」を考え、「ペットと遊ぶこと」を入眠前の習慣にしました。
しばらく続けていくことにより、自然と穏やかな気持で布団に入れるようになり、熟眠感が増していったとのことです。
まとめ:入眠習慣を確立する
睡眠を阻害する「思考」や「感情」を入眠前に落ち着けることによって、睡眠が向上する事例はこれまでにも多くありました。
オンライン化・情報化が進んだ現代社会は、思考や感情を刺激する情報が常に入ってくるうえに、どこでも夜遅くまで仕事が「できてしまう」という特徴もあります。
だからこそ、入眠前に思考や感情を落ち着かせて布団に入ることが大切になってくるのかもしれません。
※ プライバシーや分かりやすさへの配慮のため、事例としての本質を損なわないよう配慮しながら、実際のストーリーの一部に修正を加えています

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